信大・北村ゼミによる砂連尾理(じゃれおおさむ)さんのワークショップ(WS)
さてさて、
既に10日余りが経ってしまいましたが、
ダンスのWSの備忘録を。
そもそもは、まつもと広報だったか、ツイッターだったか…
市民参加募集を見て、
以前から、ゆこもりの守備範囲とは、
アートとして、真逆の位置関係だと解釈している
「ダンス・踊り・音楽」

つまり、
工芸⇔ダンス・踊り・音楽
「もの」として残る⇔その場限り
出来上がるまで時間がかかる⇔(練習に時間はかかるものの)即興性が高い
などなど。
ゆこもりでも時々、企画展に付随して、コンサートを開催しますが、
客層が全く違うのも実感していましたし…

まあ、そんな今までご縁の薄いダンスには、
実のところ、アートとしての可能性を感じていて、
即興性の「妙」と身体で表現するところなどは、
是非とも、取り入れたいところ
今回のWSを企画した信大の北村ゼミは、
過去、いろいろと面白いイベントをやっていて、
もう10年近く前になる2009年の松本オムニバスは、
今はなき、片倉モール脇のカフラス前で、
踊りのパフォーマンスをしたり、
2011年には、縄手通りで、ダンスパフォーマンスをしたり。
で、講師にお迎えした砂連尾理さんは、
高齢者とダンスをするなど、
ダンスの多様性・可能性を探っている方のよう
はじめは、今年2月のWS…
このときも、初日のWSには伺えず、
二日目の感想講評会から出席。
で…
春さき5月から、本格的に始動ー

はじめは、信大人文学部校舎にて、
3・4年生たちと、市民参加の方と、
用意された衣服を使って着せ合うといった、体を使った協働作業から。
写真は、「引っ張り合う」だったかな??
要は、身体的な「制限」をかけることによる
「動き」の可能性を探っていたのであろうと推察するのですが、
でも結局、これらがどう本番に作用したのかゆこもりにはよくわからない…

でも単純に、学生さんと、何かを探っていく感じは、
面白い作業でした~

砂連尾さんと北村先生
今回の「お題」になったカフカ。
学生さんそれぞれが、自分のやれること・やりたいことを発表。
ゆこもりもすべての練習に参加出来たわけではないのですが、
途中、劇中で流す素材を学生さん・一般参加の方と、
池田町の限界集落まで行ったりもして
ここで撮影した学生さんの写真は、劇中でスライドショー、
採取した音声も使われました。
この池田町の限界集落は、
一時、林業で栄えた村も、今は数件しか居ないというところ。
それが、人の「老い」とも似ている気がして、
今回の「変身」というキーワードとも、絶妙にリンクしている気がしました。
「変身」というのは、「老化」などもある意味「変身」なわけで、
どんな人にも起こりうることということもあり、
身近なこととして、引き寄せやすい題材でもありました。
また、「変身」は、多様性ともリンクしていて、
「なんでもあり」な「カオス」な感じはきっと、
砂連尾さんの狙っているところでも、あったのではと思います

そして、おのおのの自主練など経て、
本番のまつもと市民芸術館にての練習へ…
初日練習の様子。
知人で、日本舞踊をされている知人をお誘いもして。
まあまあの広さに、ちょっとビビる

化粧も「変身」ですものねー

ちょっと参加していない間に、すごいまとまっていて、
ゆこもり的には出る幕なし
(苦笑)
もともと、「踊る」ことは難しいなあ…と思っていたので、
砂連尾さんと話して、裏方的立ち位置に。
そこから、「観る」側と「演者」側を「繋ぐ」というか、
境目を「外す」ことが出来れば…と思っていたけど、
今回は、ちょっと難しかった…
で、あっという間に通し稽古最終。
Hさん、はっちゃけてたなぁ~

お子さんまで出演
泣こうが、わめこうが、それも取り入れる砂連尾さんの貪欲さ
さらに、砂連尾さんが教壇に立たれている立教大の方も参加。
そしてそして、前日、大雨のせいで、ことごとく高速が使えなくなる中、
ギリギリで、佐久間新さん、ほんまなほさんも到着し、通し稽古に参加。
前日夜にやっと、全員揃うという凄まじさ…
そして、いよいよ、7/7の本番の様子ですー
まずは、砂連尾さんの前説?から。
お客さんをほぐしているところ。
ちなみに、いろんなパフォーマンスが同時多発しています
手話の出来る学生さんの観客を巻き込んだパフォーマンス
と、そこに絡む佐久間さん。
この絡みが、学生さんを浮かせずに、シームレスにしていました。
一緒に限界集落まで行った素材でのパフォーマンス
洋服を使った制限下でのパフォーマンス。
空手の型の人と歩行アシストロボット「クララ」の通販販売員(客席から乱入)とのコラボ
そして、徐々にカオスへ
かけ声で皆、一斉に駆けずり回ります



そして皆倒れ、静寂が訪れ…
咆吼があり、再生へ
ほんまなほさんの私小説的朗読
これは、ほんまなほさんの「静かなる」咆吼で、
ゆこもりはちょっと、受け止めきれないほどでした…

佐久間新さんの鬼気とした踊り

最終章は、歩行アシストロボット「クララ」を装着した高齢者を交えて。
バックで流れていたほんまなほさん演奏のガムランの音色が心地よかった
まさに、緊張と弛緩

練習中も、子供たちが興味津々
最後のご挨拶
そして、WS後のトークセッション。
いやー、この備忘録を書くのも、
ちょっと手をつけ始めるのに時間がかかりました
今回、どちらかというと外野的立ち位置で、
つかず離れず、様子を見て、
最初は、タモさんが、ミュージカルを揶揄っていたスタンスに似て、
すごい動きの踊りを見ると、ちょっと笑ったりしていたゆこもりも、
砂連尾さんの
学生や一般参加の素人のいろんなパフォーマンスの要素を
練習の中で試行錯誤しながら、絶妙に組み替えて、
余すところなく使うどころか、
出来そうな人にはさらに無茶ぶり
をしながら引き上げ、
少しでも違和感があると、否定せず(ここ大切ですよねー
)にさりげなく修正をし、
(その違和感がゆこもりがまさにウ~ム
と思うところだったのでちょっと嬉しかったり
)
さらには要素同士を組み合わせてコラボまでさせ、
そこに、盟友の佐久間さんや、
実は今回の「変身」の肝では…と思うほんまなほさんを最後に据えて、
(どうやら、ほんまなほさんにはやって欲しいことをなんとなく伝えているのみ、だったよう)
しっかり鑑賞できるものにまで仕上げるという…
ウ~ム
もしかしたら、「踊り」の世界独特の手法なのかもしれないけれど、
もちろん分野で、やり方・流儀が違うのは当たり前としても、
準備を重ねて、時間をかける「こちらの手法」
(段取りを踏んで踏んで、ガチガチに固める
)
とは全く違うやり方に、
「頭の硬い」ゆこもりの今後の方向性を多様化する一助に出来たら、と思いました。
そして、すべての運営を学生に任せ、
招聘した砂連尾さんに委ねた北村さんの立ち位置も面白いなぁ、と。
ゆこもりだったら、うちの「場」でだれか、キュレーターを呼んできて、
その人にすべて任す、みたいなものだから、
いやー、想像しただけでもドキドキするわー

北村さんと砂連尾さんの信頼関係でもあるのでしょう。
今回のいろんなご縁に感謝…
【Metamorphose - カフカの変身から考える生の揺らぎ】
信州大学人文学部 × 砂連尾理 × 公募メンバー × 観客 HP
http://kitamurawszemi.tumblr.com/

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